Vol.3 にぎわい創出への取り組み<大船プロジェクト>

【2019.09.30 掲載】

人口減少とともに少子高齢化社会が進む日本では、都市を形成する人口構造や環境が大きく変化しています。街のあり方が成熟した都市型社会へ移行する中、これからの街づくりに求められているのは開発を行い「つくる」だけではなく、街全体を活性化させ持続的に地域価値を「育てる」ことです。コミュニティが希薄化するいま、必要な地域特性に応じた地域の魅力づくりの必要性、環境や安全・安心への関心の高まり、地域活動への参加意欲の高まりなど、いくつもの背景からエリアマネジメントが大きく注目されています。
そこで、「一人ひとりの暮らしに新しい物語を。」をコンセプトに理想の街づくりを目指す「LIFE STORY TOWN」では、地域ならではの新しい物語を生み出すため、重要な取り組みとしてエリアマネジメントへの参画を通じた社会課題の解決を進めています。住まう人、地域の人とともに街を「つくり」「育て」、そして「にぎわい」や「つながり」の創出を図る活動によって「LIFE STORY TOWN」の街づくりはさらなる進化を遂げていきます。

エリアマネジメントの定義

  • 地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、
    住民・事業主・地権者等による主体的な取り組み

エリアマネジメントの特徴

  • 特徴1「つくること」だけではなく「育てること」。
  • 特徴2行政主導ではなく、住民・事業主・地権者等が主体的に進めること。
  • 特徴3多くの住民・事業主・地権者等が関わりあいながら進めること。
  • 特徴4一定のエリアを対象にしていること。

国土交通省『エリアマネジメント推進マニュアル』より

エリアマネジメントに期待される効果

期待される効果1:快適な地域環境の形成とその持続性の確保

住民・事業主・地権者のみならず、就業者・来街者にとっても快適で質の高い環境の形成が図られ、そしてその環境を維持する仕組みが整いつつあります。 建築物や道路・公園等の公共施設の整備とあわせて、その場所にふさわしい活動がなされるような継続的な仕組みを整えることで、真に生き生きとした環境が形成されます。

社会課題への取り組み ~ 人とのつながりを大切にする意識 社会課題への取り組み ~ 人とのつながりを大切にする意識
社会課題への取り組み ~ 人とのつながりを大切にする意識

期待される効果2:地域活力の回復・増進

地域の活力が回復・維持、さらには増進することが期待されます。例えば、中心市街地においては、来街者が増えて活気を取り戻したり、空き店舗が減少して経済活動が活性化していくことが期待できます。居住人口や就業人口の回復、地域における空家・空地の減少やオフィスなどの空室率の改善、犯罪発生率の低下、NPO やボランティア等の市民活動の活性化も考えられます。

期待される効果3:資産価値の維持・増大

エリアマネジメントの実施により、一般に土地・建物の資産価値の上昇が期待できます。美しい街並みや安全で快適な環境が形成されることで、 土地・建物の不動産価格が下落しにくくなったり、不動産の売却が比較的容易になったりする等、市場性を維持することができます。

社会課題への取り組み ~ 世帯累計の推移

資料:国土交通省「地価公示」

期待される効果4:住民・事業主・地権者等の地域への愛着や満足度の高まり

地域の主体である住民・事業主・地権者などの地域への愛着や満足度が高まることが期待できます。その結果、エリアマネジメントへの参画意識が一層高まり、活動が充実化していくとともに、地域における住民の定住促進や事業主による事業の継続など、地域の求心力が高まることによるさらなる効果が期待できます。

社会課題への取り組み ~ 世帯累計の推移

資料:平成15 年住宅需要実態調査 / 平成16 年度住宅建設事業調査「居住者組織による住環境の整備・管理手法に関する研究」(国土交通省)

大船プロジェクトでの取り組み

地域社会の持続可能な発展につながるエリアマネジメントの取り組みには、
地域特有の課題に適合した活動と仕組みの整備が必要です。
大船プロジェクトでは、東急不動産ホールディンググループが培ったノウハウの活用によりにぎわいや交流機会を創出し、
地域との連携やコミュニティ形成を実現するための課題解決に取り組んでいます。

課題1・にぎわい拠点や多世代交流拠点の不足

大船プロジェクトの再開発エリア周辺は、にぎわいや多世代交流の場として柔軟性のあるスペースが不足していました。お祭りやイベントの際には駐車場や道路が使われており、地域のにぎわいを創出し、多世代が交流できる機会を生み出すためのハードが必要でした。

取り組み:にぎわい・交流の機会やスペースを創出する「大船プロジェクト」

計画概要

1日約19万人の乗降客数にのぼる横浜市有数のターミナル駅である大船駅周辺の再開発事業である大船プロジェクトでは、商業施設と地上21階建ての都市型住宅「ブランズタワー大船」とともに整備される約800m²の広場のうち、280m²をにぎわいや多世代交流を創出する拠点として活用します。

大船駅の笠間口すぐに位置する広場は駅前の“顔”であると同時に、地域にお住まいの人や「ブランズタワー大船」に新たに住まう人、そして商業施設を利用される人にとっての交流のハブとなり、広場を中心としたにぎわいと交流の拠点創出を図ります。

超高齢社会への取り組み ~ 「予防」と「ケア」に取り組むグランクレール世田谷中町

課題2・エリアマネジメントの主体的・継続的な運営

地域社会を持続的に発展させるエリアマネジメントの実現では、地域との交流機会づくりやコミュニティ形成、様々なイベント運営などソフト面における自主的かつ継続的な活動を行うための組織や担い手が必要です。その担い手不在がエリアマネジメントの課題となっています。

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取り組み:「東急コミュニティー」によるエリアマネジメント業務の受託

超高齢社会への取り組み ~ 「予防」と「ケア」に取り組むグランクレール世田谷中町

大船プロジェクトでは、管理会社である「東急コミュニティー」が受託し、地域の方々と連携してエリアマネジメント活動を推進します。業務は、「にぎわい・交流創出事業」「情報発信」「広場運用事業」など多岐にわたり、縁の下の力持ちとして地域のにぎわい・交流機会の創出をサポートします。

「つくる」の先にある「育てる」がますます重要になる、これからの街づくり。その社会課題の解決を目指して、「大船プロジェクト」ではエリアマネジメント活動に取り組んでいます。

大船プロジェクト詳細

  • ブランズタワー大船

出典について

※掲載の内容は下記

[2019年5月23日現在のものを一部編集・加工して作成したものです。一部自社の事例でないものを含みます。

Vol.2 コミュニティの希薄化<十日市場プロジェクト>

【2019.04.25 掲載】

今まさに、住宅地は転換期を迎えています。加えて現在の日本を取り巻く「少子高齢社会・成熟社会」の到来は、社会・経済問題のみならず、これからの街づくりにも大きな影響や変化をもたらすと考えられます。少子高齢化や晩婚化による単身世帯の増加によって、将来、世代間のつながりが弱くなっていくことが懸念されています。家族との近居や地域コミュニティとの交流等“人との繋がり”を重視した暮らしの創造。これからの街づくりは、子育て世帯のみならず、単身世帯、高齢世帯を含む多様な世帯が強調して明るく活発に暮らし続けることを十日市場プロジェクトではめざしています。

世帯累計の推移

社会課題への取り組み ~ 世帯累計の推移

課題1・住宅地の活性化

横浜市の人口は、約370万人以上。その内、3分の2の方々が横浜市の近郊に住まわれています。その活力は、横浜の活力そのもの。横浜市の近郊アウターエリアが元気になると、横浜市全体も元気になっていきます。そのためにも住宅地の活性化、子育て世帯のみならず、単身世帯、高齢世帯を含む多様・多彩な世帯が協調して、明るく活発に暮らし続けられる新しい街づくり、親世帯と近居や地域コミュニティとの交流、人の繋がりを重視した暮らしの価値の創造をめざします。

社会課題への取り組み ~ 人とのつながりを大切にする意識 出所)NRI「社会貢献意識に関するWEBアンケート調査(2012年)

少子高齢化や晩婚化による単身世帯の増加によって、将来、世代間のつながりが弱くなっていくことが懸念される。単身世帯が増加する中、家族のつながりを大切に考える人が9割以上である等、人とのつながりに対する必要性の意識は高いことから、地域活動等への参画については、気軽に参加できることがポイントであると考察される。

90%以上が「家族」や「友人」とのつながりを大切にしたいと回答している。また約80%の人が「近所の人とのつながりを大切にしたい」と回答。親世帯との近居や地域コミュニティとの交流等“人とのつながり”を重視した暮らしの創造が、急務と考えられる。

取り組み:地域全体での「エリアマネジメント」の実施

「エリアマネジメント」とは、“地域環境や地域の価値を向上させるための住民などによる主体的な取り組みのこと。
つまり、地域全体で協力して、街そのものの価値を高めていこうという活動です。オープンスペースを活用した交流型イベント開催などを通して、地域への愛着を育み、もっと住みたくなる街へと、その魅力を高めていきます。

超高齢社会への取り組み ~ 取り組み:地域全体での「エリアマネジメント」の実施

エリアマネジメントによる様々なイベントやワークショップなどを開催。敷地の中央にエリアマネジメントの拠点となる「コミュニティリビング」を設置することで、敷地内にすまう方だけでなく地域にお住まいの方も気軽に参加いただけるよう配慮しています。
多彩な交流の拠点となるのが、「リビングスタジオ」。隣接するオープンスペース「リビングスクエア」と連動して、フレキシブルに活用できるスペースです。また広々としたフリースペース「HANA-RE(ハナレ)」は、ヨガ教室など様々なイベントにご利用いただけ、又イベントがない時は、子供達の遊び場としてご使用いただけます。

地域に根ざした多世代交流やコミュニティ形成を実現し、人と人をつなぐ街づくりを進め、未来に向けて街そのものの価値を高めていきます。

超高齢社会への取り組み ~ 取り組み:地域全体での「エリアマネジメント」の実施

超高齢社会への取り組み ~ 取り組み:地域全体での「エリアマネジメント」の実施

超高齢社会への取り組み ~ 取り組み:地域全体での「エリアマネジメント」の実施

Vol.1 超高齢社会への取り組み

【2017.10.23 掲載】

高齢化が進行していると言われてひさしい現代の日本。しかしこの問題は待っていれば解決するものではなく、既に超高齢社会となり、今後も更に高齢化が進むと言われています。2036年には65歳以上の割合が33.3%、2065年には38.4%、実に国民の約2.6人に1人が65歳以上の高齢者となることが推測されています。高齢化社会において日本が抱える課題はいくつもあります。昨今話題になっている老老介護や介護離職問題、地域コミュニティーの希薄化による孤独死。表面化された問題には様々な対策が進み始めていますが、対策が間に合っていない深刻な課題はまだまだあります。認知症対策、バリアフリーに代表する高齢者が安心して暮らせる住まいの整備。理想の街づくりを目指す「LIFE STORY TOWN」では、現在の日本が抱えているこのような社会課題に対しての取り組みを行っています。場所づくりだけではなく、地域と人、そして人と人とのコミュニケーションを通じて、住まう人、地域の人とともに「LIFE STORY TOWN」は成長していきます。

高齢化の推移と将来推計

社会課題への取り組み ~ 高齢化の推移と将来推計
出典:「平成29年版高齢社会白書(全体版)」(内閣府)(http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/index.html
「第1章 高齢化の状況 第1節 高齢化の状況 1.高齢化の現状と将来像 図1-1-4 高齢化の推移と将来推計」をもとに作成

認知症

超高齢社会を迎えている日本で課題となっているのが、認知症への取り組みです。
2025年には、65歳以上の高齢者で約700万人——実に5人に1人が、認知症を患うと見込まれています。
こうした現状の中で、街がサポートできることが何かあるのではないか。
そう私たちは考え、世田谷中町プロジェクトでは新たな取り組みを始めています。

課題1・高齢者向け住宅の不足

高齢化が進む中、世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯は年々増加傾向にあります。しかし、高齢者が安心して暮らせる住宅の供給数は圧倒的に不足しています。また、高齢化のすぐ先にある課題であsる認知症ケアにおいても認知症患者の増加スピードに比べて対策が遅れており、その研究・開発とともに高齢者住宅への組み込みが急務となっています。

高齢者向け住宅の供給目標

高齢者人口に対する高齢者向け住宅の割合(供給目標)
平成26年時点2.1% ⇒ 平成37年4.0%(目標)

高齢者向け住宅の供給目標
出典:「平成28年度サービス付き高齢者向け住宅整備事業について」(国土交通省住宅局安心居住推進課)(http://www.koreisha.jp/service/dl/setsumeikai/data01.pdf)「1. サービス付き高齢者向け住宅の動向」をもとに作成

取り組み:認知症の「予防」と「ケア」に取り組む「グランクレール世田谷中町」

超高齢社会への取り組み ~ 「予防」と「ケア」に取り組むグランクレール世田谷中町

世田谷中町プロジェクトでは、「グランクレール世田谷中町」内に、お元気な方が入居される「シニアレジデンス」と介護が必要な方が入居される「ケアレジデンス」を設置。お体の状態に合わせた住まい選びを可能としています。

「シニアレジデンス」では、人生の円熟期を迎えた方にふさわしい設備・サービスを提供するとともにクオリティの高いライフステージを演出します。設備面では、快適な生活を実現するユニバーサルデザインを随所に採用。さらに、順天堂大学と連携し、認知機能の維持・改善に貢献する運動プログラムの「ロコモ予防プログラム」を導入しています。そのほか、フロントサービスや家事援助サービス、緊急時の対応や防犯・防災対策など、安心・安全な暮らしへの配慮とサービスでシニアライフをサポートします。

「ケアレジデンス」では、25年以上にわたり認知症の様々な研究を行っているイギリス・スターリング大学の認知症サービス開発センターと日本初となる業務提携を実現し、最新のバリアフリーはもちろん、カラーリングや空間の使い方といった「認知症にやさしいデザイン」を採用しています。
「グランクレール世田谷中町」では、認知症の「予防」と「ケア」という観点に対し、ハードとソフトの両面から取り組んでいます。

超高齢社会への取り組み ~ 「予防」と「ケア」に取り組むグランクレール世田谷中町

課題2・コミュニティの希薄化

認知症患者が抱える課題のひとつに、要介護者の孤立化問題があげられます。世帯主が65歳以上の高齢者の単独世帯や夫婦のみの世帯は、年々増加傾向にあります。同居している介護者が高齢者である「老老介護」、認知症患者が認知症の家族を介護する「認認介護」も増加しています。結果、家族のサポートも困難な状況が増え、孤独死を身近な問題として感じている人が多くなっています。また、家族以外に相談できる人がいない閉塞的地域社会問題にも一因があります。高齢化社会となった現在、孤立化問題を家族間で解決することには限界があり、地域コミュニケーションの促進が解決策のひとつとして注目されています。

取り組み:地域とつながる多世代交流拠点「コミュニティプラザ」を設置

超高齢社会への取り組み ~ 地域とつながる多世代交流拠点「コミュニティプラザ」を設置

世田谷中町プロジェクトでは、コミュニティが自然と生まれる「きっかけの場」として、居住者だけでなく地域に暮らす皆様が交流できる多世代交流拠点「コミュニティプラザ」を敷地内に設置。「コミュニティプラザ」の1階には、居住者だけでなく、地域に暮らす多世代の皆様が積極的に交流が図れるよう多世代交流拠点「コミュニティサロン」を設置しています。
「コミュニティサロン」では、居住者だけでなく、地域の方にも「安心」と「楽しみ」をコンセプトにしたプログラムを提供する「ホームクレール世田谷中町」を運営。さらに「ホームクレール世田谷中町」と連携して、東京都市大学と産学連携にて企画する地域交流プログラムについても実施しています。

「ホームクレール世田谷中町」には、家族介護などの相談に応じてくれるコンシェルジュがいるので、「相談相手がいない」という方も安心です。
また、「ブランズシティ世田谷中町」と「グランクレール世田谷中町」の両居住者が利用できる「カルチャールーム」も設置。音楽室や茶室も備えており、「グランクレール世田谷中町」の入居者が身につけた文化や教養を、「ブランズシティ世田谷中町」に入居する親子世代に教えるプログラムが行われています。シニアは生きがいを、若い世代は生きた知恵が得られる場所となっています。

超高齢社会への取り組み ~ 地域とつながる多世代交流拠点「コミュニティプラザ」を設置