Vol.1 超高齢社会への取り組み

【2017.10.23 掲載】

高齢化が進行していると言われてひさしい現代の日本。しかしこの問題は待っていれば解決するものではなく、既に超高齢社会となり、今後も更に高齢化が進むと言われています。2036年には65歳以上の割合が33.3%、2065年には38.4%、実に国民の約2.6人に1人が65歳以上の高齢者となることが推測されています。高齢化社会において日本が抱える課題はいくつもあります。昨今話題になっている老老介護や介護離職問題、地域コミュニティーの希薄化による孤独死。表面化された問題には様々な対策が進み始めていますが、対策が間に合っていない深刻な課題はまだまだあります。認知症対策、バリアフリーに代表する高齢者が安心して暮らせる住まいの整備。理想の街づくりを目指す「LIFE STORY TOWN」では、現在の日本が抱えているこのような社会課題に対しての取り組みを行っています。場所づくりだけではなく、地域と人、そして人と人とのコミュニケーションを通じて、住まう人、地域の人とともに「LIFE STORY TOWN」は成長していきます。

高齢化の推移と将来推計

社会課題への取り組み ~ 高齢化の推移と将来推計
出典:「平成29年版高齢社会白書(全体版)」(内閣府)(http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/index.html
「第1章 高齢化の状況 第1節 高齢化の状況 1.高齢化の現状と将来像 図1-1-4 高齢化の推移と将来推計」をもとに作成

認知症

超高齢社会を迎えている日本で課題となっているのが、認知症への取り組みです。
2025年には、65歳以上の高齢者で約700万人——実に5人に1人が、認知症を患うと見込まれています。
こうした現状の中で、街がサポートできることが何かあるのではないか。
そう私たちは考え、世田谷中町プロジェクトでは新たな取り組みを始めています。

課題1・高齢者向け住宅の不足

高齢化が進む中、世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯は年々増加傾向にあります。しかし、高齢者が安心して暮らせる住宅の供給数は圧倒的に不足しています。また、高齢化のすぐ先にある課題であsる認知症ケアにおいても認知症患者の増加スピードに比べて対策が遅れており、その研究・開発とともに高齢者住宅への組み込みが急務となっています。

高齢者向け住宅の供給目標

高齢者人口に対する高齢者向け住宅の割合(供給目標)
平成26年時点2.1% ⇒ 平成37年4.0%(目標)

高齢者向け住宅の供給目標
出典:「平成28年度サービス付き高齢者向け住宅整備事業について」(国土交通省住宅局安心居住推進課)(http://www.koreisha.jp/service/dl/setsumeikai/data01.pdf)「1. サービス付き高齢者向け住宅の動向」をもとに作成

取り組み:認知症の「予防」と「ケア」に取り組む「グランクレール世田谷中町」

超高齢社会への取り組み ~ 「予防」と「ケア」に取り組むグランクレール世田谷中町

世田谷中町プロジェクトでは、「グランクレール世田谷中町」内に、お元気な方が入居される「シニアレジデンス」と介護が必要な方が入居される「ケアレジデンス」を設置。お体の状態に合わせた住まい選びを可能としています。

「シニアレジデンス」では、人生の円熟期を迎えた方にふさわしい設備・サービスを提供するとともにクオリティの高いライフステージを演出します。設備面では、快適な生活を実現するユニバーサルデザインを随所に採用。さらに、順天堂大学と連携し、認知機能の維持・改善に貢献する運動プログラムの「ロコモ予防プログラム」を導入しています。そのほか、フロントサービスや家事援助サービス、緊急時の対応や防犯・防災対策など、安心・安全な暮らしへの配慮とサービスでシニアライフをサポートします。

「ケアレジデンス」では、25年以上にわたり認知症の様々な研究を行っているイギリス・スターリング大学の認知症サービス開発センターと日本初となる業務提携を実現し、最新のバリアフリーはもちろん、カラーリングや空間の使い方といった「認知症にやさしいデザイン」を採用しています。
「グランクレール世田谷中町」では、認知症の「予防」と「ケア」という観点に対し、ハードとソフトの両面から取り組んでいます。

超高齢社会への取り組み ~ 「予防」と「ケア」に取り組むグランクレール世田谷中町

課題2・コミュニティの希薄化

認知症患者が抱える課題のひとつに、要介護者の孤立化問題があげられます。世帯主が65歳以上の高齢者の単独世帯や夫婦のみの世帯は、年々増加傾向にあります。同居している介護者が高齢者である「老老介護」、認知症患者が認知症の家族を介護する「認認介護」も増加しています。結果、家族のサポートも困難な状況が増え、孤独死を身近な問題として感じている人が多くなっています。また、家族以外に相談できる人がいない閉塞的地域社会問題にも一因があります。高齢化社会となった現在、孤立化問題を家族間で解決することには限界があり、地域コミュニケーションの促進が解決策のひとつとして注目されています。

取り組み:地域とつながる多世代交流拠点「コミュニティプラザ」を設置

超高齢社会への取り組み ~ 地域とつながる多世代交流拠点「コミュニティプラザ」を設置

世田谷中町プロジェクトでは、コミュニティが自然と生まれる「きっかけの場」として、居住者だけでなく地域に暮らす皆様が交流できる多世代交流拠点「コミュニティプラザ」を敷地内に設置。「コミュニティプラザ」の1階には、居住者だけでなく、地域に暮らす多世代の皆様が積極的に交流が図れるよう多世代交流拠点「コミュニティサロン」を設置しています。
「コミュニティサロン」では、居住者だけでなく、地域の方にも「安心」と「楽しみ」をコンセプトにしたプログラムを提供する「ホームクレール世田谷中町」を運営。さらに「ホームクレール世田谷中町」と連携して、東京都市大学と産学連携にて企画する地域交流プログラムについても実施しています。

「ホームクレール世田谷中町」には、家族介護などの相談に応じてくれるコンシェルジュがいるので、「相談相手がいない」という方も安心です。
また、「ブランズシティ世田谷中町」と「グランクレール世田谷中町」の両居住者が利用できる「カルチャールーム」も設置。音楽室や茶室も備えており、「グランクレール世田谷中町」の入居者が身につけた文化や教養を、「ブランズシティ世田谷中町」に入居する親子世代に教えるプログラムが行われています。シニアは生きがいを、若い世代は生きた知恵が得られる場所となっています。

超高齢社会への取り組み ~ 地域とつながる多世代交流拠点「コミュニティプラザ」を設置